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【はじめの一歩考察】幕之内一歩の今後とラスボスを誰に設定するのか?

主人公の幕之内一歩がフィリピンの国内王者 アントニオ・ゲバラにKO負けを喫し、一歩の引退が濃厚になった事により、ある意味大きな話題になっている「はじめの一歩」。同漫画の担当編集のTwitterアカウントが作品の継続を発表したもののTwitterには様々な意見が飛び交った模様。

一歩の担当編集のTwitter

 

非常に残念な事に批判的なものが多く、連載を早く終えてほしい読者たちの声がたくさん寄せられた。おそらく、多くの読者が主人公である幕之内一歩のバッドエンドを予想しているようだ。現在の一歩はパンチドランカーであるという説は非常に濃厚であり、今後のストーリーで「実はパンチドランカーではありませんでした。」という方向に軌道修正するのが困難であるためだ。漫画なので、作者のさじ加減もしれないが、おそらく、どういう展開でも読者壊れた一歩の回復路線は受け入れないだろう。数十年にわたり連載してきた、この漫画がどうすれば、有終の美を飾ることができるのかちょっと考えてみようと思う。

 

一歩を一時完全に退場=引退させる。

今の一歩はフィリピンのゲバラのかすったパンチにダウンをしたり、世界戦を控えていた1階級下の南雲の左ジャブだけでダウンをするなど一歩の最大の武器でもある打たれ強さは見る影もない状態だ。流石に、この状態では、Mr.根性論の鴨川会長でも現役続行にはOKを出すわけがない。よって、一歩の現役引退はほぼ確定だろう。では、現役を引退した後、どうなるのか?

 

サブキャラたちの話で漫画は続行

現在の「はじめの一歩」の登場人物たちには未消化の試合が残されている。試合の伏線として、予想されているもので以下のようものがある。

 

1.千堂武士 VS アルフレド・ゴンザレス

幕之内一歩に2度KO負けている千堂武士が標的にしているのが、アルフレド・ゴンザレス。試合は正式に決定していないものの、一歩にKO勝ちしたゴンザレスにラブコールを送っている。しかし、一方のゴンザレスはフェザー級最強のリカルド・マルチネスを標的にしているが、一歩との大戦後にリカルドと対戦したかどうかは一切不明。筆者の予想としては、一歩との試合で実力不足を感じたゴンザレスはWBCの世界王者との指名試合を優先させ、ゴンザレスがWBCの新王者になっているのではないかと予想する。つまり、千堂武士はゴンザレスの挑戦者としてリングに上がるのではないだろうか?勝敗はおそらく千堂のKO勝ち。名実共に「一歩を超えた」という評価を得て、その光景を目の当たりにする一歩の姿が描かれるのでは?と期待している。現在、日本国内に鷹村以外の世界王者がいないのも、どうかと思うので千堂をWBC世界フェザー級王者になっても問題はないはずだ。

 

2.間柴了の世界挑戦

ライト級に階級を上げ東洋タイトルを獲得した間柴も当然世界ランキング保持者。故に間柴がライト級の世界王者に挑戦するという話も当然描かれるべき話であるだろう。ライト級に関しては世界王者が不明なため、新キャラとして、パナマとかキューバあたりの選手が登場して、激闘を繰り広げるという展開を希望。この漫画はアメリカ、メキシコ、東南アジアの選手はよく出てくるが、キューバ、パナマ、プエルトリコなどの選手はほとんど出てこないので、ぜひ、それっぽい強敵を描いてもらいたい。個人的には、両親を亡くして苦労してきた間柴兄妹に世界のベルトを届けてあげてもらいたい。

 

3.青木勝 VS 伊賀忍

A級トーナメント決勝戦で完膚なきまでにボロボロにされKO負けした青木が、日本ライト級新王者となった伊賀忍にリベンジなるか?筆者予想は青木の善戦できずにKO負け。おそらく、この試合を最後に引退するのではないかと思われる。

 

4.木村タツヤ VS 伊賀忍

ここ最近の木村は作中ではかなり不遇な扱いで、試合のほとんどが負けか引き分け。作中でも減量苦によるパワー・スタミナ不足が描かれている。青木が伊賀との試合を最後に引退した結果、ずっと青木に気を使っていた木村が階級を上げて伊賀に挑戦。結果は、木村がKO勝ちして悲願の日本王者になると思う。

5.板垣学が東洋太平洋タイトルへ

一歩がゲバラにKO負けしたことにより、宮田が一歩と対戦することは絶望的な状況になった。宮田としてはさぞ、悔しい気持ちだろう(そもそも、宮田が一方的で個人的な理由で一歩との試合をキャンセルした)。しかし、これ以上、OPBFのベルトを保持している理由もなくなった。ここで、宮田がタイトルを返上。その返上したベルトを巡って板垣がOPBFの王座決定戦に望むのではないかと予想。その試合で板垣が勝って新王者になれば、現在の日本王者は今井なので、図式も宮田と一歩のそれになるのだ。また、一歩がいなくなった鴨川ジムを去り、間柴のいる東邦ジムへ移籍するというのもありえるだろう。

6.鷹村守の3階級制覇

6階級制覇を掲げている鷹村がミドル級から階級を上げてスーパーミドル級の世界タイトルに挑戦。通例通りならば、鷹村が挑戦する相手は鳥の名前になるはずなので、コンドルとかファルコンとか、もしくはフェニックスとかそれっぽい名前になるだろう。もし、フェニックスとなれば、いまだに網膜剥離疑惑が濃厚の鷹村の試合はこれで最後となり6階級制覇は達成されないだろう。というより、森川ジョージは最初から6階級すべて作中で描くつもりはないだろう。

7.戦う相手がいない宮田一郎

作者が扱いに困っているのが宮田一郎だろう。一歩との対戦が事実上消滅した今、宮田が戦うべき相手がいない状況である。宮田は骨格はフェザー級に留まることを許してくれないのだ。減量苦の状態でリカルドに挑戦したところで負けは目に見えているし、いっそ階級を上げてしまったほうが得策のようにも思える。ただ、リカルドに挑戦して少し善戦して華々しく散るという筋書きもありだろう。

と、このように作中では描かれていない試合や未回収の伏線が多く残っている。しかし、困ったことに長期連載をしてしまったが故に設定にやや無理が生じてきているのも事実。

問題は「はじめの一歩」の主人公幕之内一歩のラスボス問題である。

主人公である一歩の最大の敵は誰か?ライバルの宮田一郎との試合がキャンセルになった時点で、一歩の当面の標的は宮田からWBA世界フェザー級王者のリカルド・マルチネスに変わった。しかし、ゴンザレス戦と今回のゲバラ戦の敗北によりリカルドと戦う可能性がほぼゼロになったとも言える。いずれ、一歩が現役復帰するにしても、おそらく作中では2〜3年かかると見られる。そう仮定すると、大きな問題となってくるのはリカルドの防衛回数の問題である。

リカルド・マルチネスは王座を何回防衛している?

主人公一歩の時間が進めば、当然、リカルド・マルチネスの時間も進む。コミックス38巻でリカルド・マルチネスが伊達英二の2度目の挑戦を受け、伊達英二をKOで返り討ちにし17度目の防衛。その頃、一歩は日本王座でかつてのジムメイトでもあるハンマー・ナオこと山田直道との対戦を受ける前。その次にリカルドの試合が描かれたのはコミックス56巻で、カウンター使いの沢村を退けた一歩がジムの後輩の板垣とテレビでリカルドの防衛戦を観戦。内容は一切苦戦することなく難なく勝利し、防衛回数はなんと21回に伸びていた。すでに王座に就いてから在位10年が経過しているという化物っぷり。その後、一体何回防衛しているのか?気になるところではあるが、それ以降、リカルドの防衛戦に関する話はほとんど出てきていない。

 

通常、このペースであれば、ジョー・ルイスが保持している連続防衛の世界記録25回を余裕で更新していなければ、おかしいのだ。いくら、強すぎて対戦相手がいないとはいえ、防衛戦を全く行わないわけがないし、試合勘が鈍らないようにノンタイトル戦をこなしているとは言っても、流石に2年に1度の防衛戦というわけにもいかない。漫画の連載が長期化しすぎてしまい、56巻以降リカルドが作中では一切戦っていないにも関わらず、彼の化物っぷりも拍車がかかってしまったわけだ。これに関して、作者の森川ジョージ含め担当編集がリカルドをどういう存在として置いているのか、はっきり言って謎である。

長期離脱した一歩が現役復帰し、世界ランキングに復帰し、1位になり、世界挑戦するまで、リカルドが無敗の王者であり続けるのか?その頃にはリカルドの防衛回数も30回どころか、35回くらいはいってそうだ。いくら、漫画とはいえ読者も受け入れないだろうし、森川ジョージがそんな筋書きを描くとはとうてい思えない。

なんであれ、このリカルド存在は作者にとってもかなり厄介な存在になっているのではないかと思う。

【リカルド・マルチネスを退場させる筋書き】

書いておいて、なんだが、個人的にはどれもしっくり来ていない。現在、フェザー級でリカルドに挑戦できそうなボクサーは、宮田・千堂・ゴンザレスの3名だけ。この3名はいずれも作中でそれぞれ弱点を抱えている。宮田は減量苦と顎、千堂は圧倒的なテクニック不足、ゴンザレスはカッとなりやすい短気なメンタル。リカルドがそんな弱点のあるボクサーに負けるのか?という問題がある。唯一、勝てそうなのは2度対戦経験があるゴンザレスだが、一歩との対戦で弱点が克服できたという後付を加えれば、それなりに説得力は持ちそうだが、リカルドに勝てるか?と問われると、かなり難しいのではないかと思う。なので、個人的にはいきなり出てきた天才ボクサーに負けたほうがまだしっくり感じだ。キャラ的には、先日、リゴンドーに勝利したワシル・ロマチェンコをモデルにした感じでいけば、いいのでは?(適当)

 

【主人公の一歩はどうなる?】

鷹村が一歩に超えてくるなと引いた線

上記で書いた伏線や未消化試合を一通り終えて、ようやく、数年かけて一歩は現役復帰を決意。ただし、「一歩の試合は作中ではほとんど描かれないで最終回を迎える。」というのが筆者予想である。ゴンザレス戦で負けた一歩が鷹村のロードワークについていくと、鷹村は雑草が生い茂る地面に足で線を引き、一歩に対して厳しくいい放つ。「そこから先は人外の者だけが棲む場所だ。 人のまま入ってくるな。」。ゲバラ戦で再起を決意した一歩だったが、ロードワーク中もこの線を決して超えてこなかった。それほどまでに鷹村の引いた線はハードルが高いのだ。逆に言えば、その線を超える決意を持てなかったためが故に、ゲバラ相手に負けたという解釈もできる。よって、最終回は現役復帰を決めた一歩が鷹村が引いた人外の領域に踏み出す決意の「はじめの一歩」を踏み出して作品は終了。リカルド、宮田、千堂、ゴンザレスなどの強敵とは一切戦わずに、結末は読者に丸投げというある意味では多くの読者にとっては最悪の結末を迎える可能性がある。ただ、個人的にはそれでもいいと思う。一歩の試合は基本打たれっぱなしで逆転KOが定番になってしまっているので、一歩が現役復帰しても、あまりおもしろい試合が期待できないので、一歩の試合は一切描くことなく連載終了してもいいと思っている。

 

一読者としての要望

 

といった具合に書きなぐってみた。近年、面白さがかなり半減している漫画なので、なんとか「復調してもらいたい」そんな願いを込めて久しぶりにブログに投稿してみた。