ドラゴンボール超 最終回感想 力の大会まとめ 最後はDB史上最高の2分のバトル
2018年4月2日1年以上前、ドラゴンボール超に関するエントリーを書いたが、最終回でまさかここまで期待を裏切ってくるとは思わなかったので、力の大会の感想を中心に書き連ねていこうと思う。
ドラゴンボール超 力の大会
12の宇宙のうち、人間レベルの高い4つの宇宙を除いた8つの宇宙で争われる。ルールは各宇宙が代表選手を10人選出し、80人同時で制限時間いっぱいまで落とし合いをする。ただし、相手を殺してしまったり、武器の使用や禁止。また、戦士全員落ちてしまった宇宙は宇宙まるごと消滅となる。最優秀選手にはなんでも願いが叶うスーパードラゴンボールの使用権が与えられる。
そんな力の大会に出場する悟空の住む第7宇宙のメンバーは以下のようなメンバーだ。
- 悟空
- ベジータ
- 魔人ブウ → フリーザ (長期の休眠状態に入ったためあの世から召喚)
- 悟飯
- ピッコロ
- 人造人間17号
- 人造人間18号
- クリリン
- 天津飯
- 亀仙人
このメンバーにはネット上でも異論は多い。強さを原作基準で考えると、ヤムチャはもちろん、チャオズやヤジロベーよりもはるかに弱いはずの亀仙人が選出されているパワーバランスの問題や、ピンチヒッターとは言え、クリリンを殺害したフリーザを仲間として引き入れる事などの感情的な部分で受け入れられない人は意外と多い印象だ。ドラゴンボールのパワーバランスがおかしいことは今に始まった事ではないにしても、最終的な戦闘力が150未満の亀仙人がどうがんばっても無理ではないか?だったら、原作で不遇な扱いを受け続けたヤムチャに勝ち星をプレゼントする救済措置もあっていいのでは?とも思う。また、フリーザの緊急招集にしても、一度殺されたクリリンの気持ちを考えると、正直、それでいいのか?悟空よ・・・。とツッコみたくもなる。そんな多くの人達の異論やモヤモヤを抱えたまま力の大会はスタートした。
力の大会それぞれの戦士たちの活躍 以下第7宇宙の脱落順
クリリン
メンタル部分で不安視されていたクリリンが亀仙人との連携攻撃で第10宇宙の鳥型の戦士ジウムを落とし、その後も18号との夫婦コンビで第4宇宙のショウサ、同じく第4宇宙のマジョラを落ちして、絶好調に見えたが、調子に乗って喜んでいるところに第6宇宙のフロストに攻撃され、序盤戦で脱落してしまう。第7宇宙最初の脱落者。撃墜数は3。
天津飯
亀仙人が萬國驚天掌で第3宇宙のザ・プリーチョの動きを封じ、気功砲で場外へ吹き飛ばして一人撃墜。後、天津飯メインの回では、動き回り離れた場所から、悟飯とピッコロに攻撃をしかけてくる第2宇宙のハーミラを四身の拳で見つけ、気功砲でダメージを与えるが、ハーミラが足元を破壊し、天津飯を落としに場外へ落とすが、分身していた天津飯3人がハーミラを羽交い締めにし、一緒に場外へ道連れにした。しかし、攻撃は気功砲のみで格闘描写はほとんどなし。撃墜は2。
亀仙人
地球人で一番活躍したのが亀仙人だろう。魔封波、萬國驚天掌、かめはめ波など技を駆使して、上記のクリリンや天津飯との連携攻撃を含めて撃墜数5人と地球人最多。第4宇宙のリーダー格のガノスを落とすだけに留まらず、結果的には失敗したが、魔封波で第6宇宙のフロスト(フリーザのパチもん)を撃墜あと一歩のところまで追い込んだ。個人的には納得はいっていないレベルの活躍だが、ヤムチャには無理だったという意味では亀仙人の活躍も受け入れないといけないかも。
ピッコロ
力の大会前は弱体化した悟飯の力を呼び起こさせるために、みっちり鍛え直したのがピッコロ。悟空やベジータなどの主役級の戦力はないものの、要所要所で活躍し、撃墜数を増やしていった。第7宇宙と対関係にある第6宇宙の融合しまくって強くなったナメック星人2人と悟飯ピッコロの師弟コンビの勝負は、ピッコロの魔貫光殺砲と悟飯のかめはめ波で両者を場外へ吹き飛ばした。撃墜数は亀仙人と同じく5人。しかし、今大会、最もかっこ悪い脱落をしたのがピッコロ。小さすぎる虫人間のダモンに攻撃され、あっけなく脱落。まだ余力はありそうだっただけに、こんな結末で終わるとは・・・
人造人間18号
序盤から活躍し、倒せそうな奴は躊躇なくどんどん落としていくスタイルで撃墜数はピッコロを上回る6人。後半まで残り続け、OPでベジータと戦っていた第2宇宙のリーダー格のリブリアンを撃墜したり、第11宇宙のプライド・トルーパーズを二人落とすなど、参加した女性戦士の中で一番の活躍を見せた。また、双子の弟でもある17号が落ちそうになった時は自身を身代わりにして、17号を救うなどして、チームへの貢献度はかなり高かった。
孫悟飯
弱体化しまくって、腑抜けた状態からは脱した模様。原作の魔人ブウ編では単体最強とまで言われたが、超でも扱いがかなり酷い状態だった。しかし、力の大会ではかつての強さを取り戻し、他宇宙の強敵を次々と撃墜していく。第7宇宙と第11宇宙の2つの宇宙のみになった最終局面まで残る。この時点で残っているのは、第7宇宙は悟空・ベジータ・フリーザ・17号・悟飯の5人に対して、第11宇宙は、ジレン・トッポ・ディスポの3人。敵は第11宇宙の3強の3人。悟飯はこの最終局面でディスポのスピードに翻弄されるフリーザを救った流れでフリーザと共闘。フリーザがディスポの行動範囲を狭め、悟飯が打撃でディスポを追い詰めるという連携で、最後は悟飯がディスポ羽交い締めにし、フリーザが悟飯もろとも身動きがとれないディスポを場外へ落とすという結末。とことん、不遇な扱いを受け続けた悟飯が第11宇宙の3番手と相打ちなら、悟飯ファンも喜ぶのでは?
ベジータ
ここでなんと予想外にも、序盤から活躍し続けていたベジータが脱落。一部では雑魚専と揶揄されることもあるベジータだが、力の大会では大活躍。第11宇宙のNo.2で次期破壊神候補でもあるトッポを倒す。この破壊神トッポは17号とフリーザが共闘しても勝てない相手でゴールデンフリーザがボロクズのようにやられてしまうレベルの強さ。そんな第11宇宙のNo.2をベジータがタイマン勝負で場外へ落とす。その勝負で全ての力を使ってしまったベジータはジレンに挑むものの、ほとんど何もできずに、悟空に託し、場外へと脱落する。やや意外なタイミングで脱落したもののベジータが候補者とは言え、破壊神越えをしたという意味では価値のある勝利だっただろう。総撃墜数は悟空に次ぐ14で第2位。
フリーザ
魔人ブウが長期休眠状態に入り、悟空の発案によってあの世から召喚された悪の帝王フリーザ。自身の完全復活を条件に第7宇宙のメンバーとして参加し、大会では、その悪役っぷりを存分に発揮しつつ多くの戦士たちを落としていったかと思えば、悟空の元気玉に協力したり、ツンデレ気味に自身の気を悟空に分けてあげたりするなど、もはやフリーザは敵として見れないレベルにまでなった。トッポには完膚なきにやられてしまい、脱落寸前まで追い込まれるが、17号によって脱落は阻止され、最終局面まで残った。悟空とジレンの1対1の対決で勝利した悟空だったが、身勝手の極意の反動で動けなくなった悟空が落とされそうになると、待ってましたと言わんばかりに悟空の脱落を阻止し、初対面の17号とのコンビプレイで満身創痍の状態のジレンに攻撃をしかけ膝をつかせ、観客席の第11宇宙の界王神と破壊神も負けを悟るほど。最後は脱落したトッポの激を受けて復活したジレンを相手を悟空・フリーザが接近戦、17号が遠距離からの援護する形で攻撃をしかけジレン・悟空・フリーザの3人が一緒に場外へ落ちる。ベジータのポジションを奪うような形にはなったが、ドラゴンボール史上最高に熱い攻防が見れた。本当にもう、フリーザは悪役に戻れないんじゃないか?総撃墜数は11人。
悟空
総撃墜数は16人で全宇宙で最多。流石は主人公。当然の結果。しかしながら、いくら主人公補正があるとは言え、時間経過として1時間も経っていない力の大会の中で、ジレンを相手にやられては復活→やられては復活を繰り返し、ある意味、人造人間よりも無尽蔵の体力があるんじゃないかと思わせるほど、悟空は戦いまくる。破壊神でも使いこなせないという身勝手の極意を使いジレンを終盤では1対1の対決でジレンを圧倒し勝利した。最後は上述の通り、フリーザ・17号との連携攻撃でフリーザ・ジレンと一緒に場外へ落ちる。身勝手の極意を極めた状態の悟空は大会出場選手最強と言って、差し支えないだろう。
人造人間17号
今大会最も意外な活躍を見せたのが17号。強さは超サイヤ人ブルーの悟空と互角の勝負ができるという驚異のインフレ具合に加えて、エネルギーが永久に減らないという人造人間のメリットをフルに活かして、序盤から各宇宙の強敵を次々に落としていく。奇妙な戦法をとってくる他の宇宙の攻撃にも、冷静な状況判断と分析で第7宇宙の危機を次々と打開し、本来ならピッコロや悟飯がやってくれそうな役割を17号がスマートにこなす。悟空やベジータが個としての強さを追い求めていく中、17号はあくまでもチームとして勝利にこだわった。また、面識のないフリーザとのコンビプレイはZ時代では想像できなかったが、この二人は力の大会で親友になれるレベルで相性抜群だった。
そうした行動が功を奏した結果、悟空に次いでジレンに多くのダメージを与えたのも17号である。ジレンが油断している無防備の状態の背中に攻撃を与えて、ほぼ無傷だったジレンの体に傷をつけたり、身勝手の極意を極めた悟空に負け、疲弊しきっているジレンと戦っているフリーザとの攻防に割り込む形で、バリアを併用した範囲限定の大爆発攻撃をしかけ、ジレンに膝をつかせた。大会中、ずっと余裕な顔をしていた第11宇宙の界王神と破壊神が自分たちの負けを悟ったのもこの瞬間である。最後の攻防では、上述の通り、悟空・フリーザを援護する形で、17号は遠距離から支援した。17号の攻撃を受けたジレンは後方の17号が厄介と判断し、接近戦をしかけてくる悟空とフリーザはお構いなしで17号を潰しに行こうとした。17号はジレンにとってそれほど厄介な相手として認識されたのだ。力の大会がはじまる前、17号がここまで活躍すると誰が予想しただろう?もしも、17号がいなかったら、第7宇宙は早い段階で消滅していたかもしれない。
そして、80人の参加選手の中でただ一人武舞台に残り、MVPにのみ与えられるスーパードラゴンボールの使用権も手にし、自身の夢でもある家族とのクルーザーでの世界旅行を捨てて、消滅した宇宙の復活を望んだ。もう、完全に主人公です。もちろん、悟空やベジータが優勝しても同様の願い事がされたであろうが、かつて、ドクター・ゲロによって悟空を殺すために作られた人造人間がこんな願い事をするとは、感慨深い。力の大会終了後のエピローグでは、おそらくブルマからプレゼントされたであろうクルーザーで旅行をしている様子もあり、8つの宇宙を救い、家族も幸せにした17号は間違いなく主人公である。
ドラゴンボール超 最終回の感想
数々の設定の矛盾やモヤモヤがありつつも、最終回までのクオリティを見てしまうと、力の大会は物凄く面白かった。とりわけ、力の大会が始まってからのアニメーションの作画は文句なしに凄い。17号の戦闘力インフレやフリーザの活躍っぷりもあそこまで、カッコイイと受け入れざるを得ない。特に、最終回のジレン VS 悟空・フリーザ・17号の最後の攻防は今までのドラゴンボールのバトル描写の中でも屈指の熱い内容だ。クールだったはずのジレンの咆哮を合図に始まる2分数十秒の戦いは、海外のドラゴンボールファンも多くが熱狂し、パブリックビューイングではワールドカップ並の大熱狂だった。
※音量注意
このパブリックビューイングはブラジル・メキシコ・チリ・ペルー・ボリビアなどの中南米の国々で行われた。東映やフジテレビなどの映像の権利者サイドには許可を得ずに放映されたものではあるが、その熱狂ぶりは動画の中でも伝わってくるだろう。悪役のフリーザに対して、フリーザコールが行われたり、悟空とフリーザが一緒にジレンを落とした際には各会場全体が揺れるほど大騒ぎになった。また、17号が消滅した宇宙の復活を願った際には拍手も起こり、世界の人達は日本人よりもドラゴンボールを心から愛しているようだ。画面越しに応援している彼らの帰属意識は第7宇宙の地球人であるが故に、大の大人たちがあそこまで真剣に観戦したのかもしれない。そこまでさせるドラゴンボールというコンテンツはやっぱり化物だ。
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